
撮影秘話
- もともとこの映画の監督は、「ローマの休日」や「ベン・ハー」を監督したウィリアム・ワイラーに話が持ち込まれた。ワイラーは台本の草案を読み、戦争を舞台背景にしたシリアスなドラマにしようと考えた。しかし、家族愛をテーマにするつもりだった製作側の意向と対立し、結果、ロバート・ワイズ監督が起用される事になった。
- 映画の撮影は、まずハリウッドのスタジオから始まった。一番最初の撮影は、マリアの部屋で子供たちと「私のお気に入り」を歌うシーン。
- 屋外風景の撮影は全て舞台となったオーストリア・ザルツブルグの街とその近郊の山々で行われた。が、映画の風景とは異なり、実際のザルツブルグは、来る日も来る日も雨。仕方なく、アメリカからわざわざセットを取り寄せ、近くのスタジオで屋内シーンを撮る始末。そこで出来たのが、かの有名な「すべての山に登れ」の修道院長室のシーン。
- 修道院のシーンは、門から玄関までの道と中庭の一部をマリア本人が過ごしたノンベルク修道院で撮影された。残念ながら内部の撮影許可は下りなかったため、それらはセットを組んでいる。
- 「ド・レ・ミの歌」のおしまいでジュリー・アンドリュースが脳天から出るような高音で歌うシーンは、彼女のアドリブ。
- 「自信を持って」撮影中、物語の主人公マリア・フォン・トラップ夫人本人が撮影を見学にやってきた。そこで、急遽、彼女がエキストラとして、一瞬だけ画面を横切るシーンが追加された。
- フォン・トラップ邸は外見が重要という事で、2ヶ所で撮影された。表玄関のシーンと裏の湖のシーンは、それぞれ別にロケされている。
- 冒頭の山の上で「サウンド・オブ・ミュージック」を歌うシーンは、撮影用のヘリコプターの吹き上げる風でジュリーが飛ばされ、何度も撮り直しされた。
- エンディングの山越えシーンの山は、バイエルン近郊で撮影。大戦当時、ヒトラーの別荘が近くにあった所で、実際の撮影では、家族全員、ドイツ領に向かって歩いていたのである。
- 撮影で最も困難だったのが、ドイツによるオーストリア併合のシーン。ナチスに対して反感を持つザルツブルグの街では鉤十字(ハーケンクロイツ)を掲げる事すら出来ず、皮肉にもナチス派の人の協力を仰ぐ結果となった。
- マリアとトラップ大佐が愛を歌い合う「何かよいこと」のシーンだが、ロマンチックな雰囲気とは裏腹に、ジュリー・アンドリュースとクリストファー・プラマーの二人はお互いに見つめ合うたび、吹き出し笑い。30回以上も撮り直さなければならなかった。
- 撮影最後のシーンは、雨の夜、リーズルとロルフが「もうすぐ17才」を歌うシーン。これを最後に「サウンド・オブ・ミュージック」の撮影は全て終了した。